陰陽道とは…

「陰陽師」と聞いて、最初に浮かぶのが「安倍晴明(あべのせいめい)」ではないでしょうか。


平安時代に卓越した知識を持った「陰陽師」として活躍され、当時の朝廷や貴族からの信頼も厚く、数多くの伝説的逸話を残されています。その後の鎌倉時代から明治時代初めまで陰陽寮を統括した安倍氏の祖と云われています。


安倍晴明を祀る神社、後生の陰陽師たちが安倍晴明を信仰するために建てた「清明塚」は全国各地に数多くあり、現在でも手厚く祀られており、各所が様々なご利益のあるパワースポットとしても有名です。


そして安倍晴明が力ある能力者として有名であった陰陽師として携わっていた「陰陽道」。


古代中国で生まれた自然哲学思想、陰陽五行説を起源として、日本へ伝わり独自の発展を遂げた呪術や占術の技術体系で、怨霊、魑魅魍魎に対する御霊信仰などに対し、陰陽道は占術と呪術をもって災異を回避する方法を示し、天皇や公家の私的生活に影響を与える指針となりました。


その後徐々に宮廷社会から日本社会全体へと広がりつつ一般化、法師陰陽師などの手を通じて民間へと浸透して、日本独自の展開を広げていったんですね。


日本の陰陽道は、道教の方術に由来する方違、物忌、反閇などの呪術や、泰山府君祭などの道教的な神に対する祭礼、さらに土地の吉凶に関する風水説や、医術の一種であった呪禁道なども取り入れられ、日本の神道と相互に影響を受けあいながら独自の発展を遂げました。

しかし現代に近づくにつれ、近代化の波と共に闇へと葬られてしまいます。明治維新の頃から新政府により陰陽道はこれまでの功績を無きもの迷信とされ、廃止へと追いやられます。そして陰に隠れ平安の世より続く占術、施術に基づき変わらず日本を護ってまいりました。


私が女として陰陽道の家系に生まれ、女流として習得し極めてきた陰陽道も、平安の時代から長き時代を経て、家系独自の進歩をしてきました。


誰しもが知る世界、限られた人間しか知らぬ世界。森羅万象の世に必要とされる道、それが本来の陰陽道です。